原作者つげ忠男は、兄・つげ義春の影響で漫画を書き始め、沈黙の時代をはさみながら断続的に作品を発表している孤高の漫画家。本作は『成り行き』(ワイズ出版刊)から、釣りに出かけ、偶然男女の争いに巻き込まれ、衝動的に殺人を犯しまう老人たちを描いた「成り行き」、花見で偶然の出会いから殺し合いにまで発展してしまう男女の惨劇を凝視する初老の男「夜桜修羅」、戦後間もない頃のバラックで暴れる無頼漢サブの愛と別れ「懐かしのメロディ」、『つげ忠男のシュールレアリズム』(ワイズ出版刊)から、行きどころのない老人の彷徨を描いた「音」、この四作品に、バス事故に運命を翻弄される被害者遺族たちの顛末を描いた瀬々監督のオリジナルストーリーを加えて、大きな一つの物語に創りあげた意欲作。
つげ忠男の長年のファンだったという瀬々敬久が『ヘヴンズ ストーリー』(2010)、『64‐ロクヨン‐前編/後編』(2016)に引き続き、今回も「人が生きていく」という意味を問いかける……。

 


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キャストには『ゲンセンカン主人』(1993年・石井輝男監督)で兄のつげ義春役を演じ、『無頼平野』(1995年・石井輝男監督)ではつげ忠男役を演じた佐野史郎が、再びつげ忠男役に挑戦。殺人に巻き込まれる老人たちに名優、柄本明と映画監督であり個性派俳優の足立正生が参加。他に山田真歩、三浦誠己、町田マリー、栁俊太郎、中田絢千、川瀬陽太ら異色キャストが集合。

 

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